書痙と心理的緊張との関係

今日は書痙についてお話しようと思います。

「字を書こうとするときに、緊張で手が振えてしまって書けなくなる」

「書けたとしても、ミミズのような字になってしまう」

「そうすると、人前で字を書きたくなっていき、更に人前で字を書けなくなってしまう」

書痙の方はこういった経緯をよく話して下さいます。


人前で字を書く時にだけ書痙の症状が出るのは、多かれ少なかれ他人の視線を感じての緊張状態(あがり)が関係してきます
緊張からくる様々な症状に対するアプローチを御紹介していきたいと思います。

「緊張」の言葉が指し示している様に、人間が緊張状態にあると、筋肉も自動的に緊張してしまいます
ここでの緊張とは、必要以上の過度な筋収縮をいいます。
緊張状態に置かれた人間が最も緊張しやすい筋肉は、頚の深部の筋肉なのです。

その中心は後頭筋下群と呼ばれている深部の筋肉です。
この筋肉群は、筋紡錘と呼ばれる受容器が他の部位よりも格段に多くあり、常に頚のポジションを脳へと伝えることによって、平衡感覚を補正しています。
抗重力筋でもあることより、座位や立位といった重力下での頭の支持を担うための筋活動がそのまま、平衡感覚の補正へという役割になっています。

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また姿勢に関わる反射にも強く関わってくる部分でもあります。筋肉や関節にある位置覚を司る体の様々な受容器から入力された情報を元に、反射的に全身の筋肉を適切に緊張させて、体の位置、姿勢、運動における平衡を保っていきます。

まとめると、
人間が過度な緊張状態になると、後頭下筋群が主に収縮してしまい、数多くある受容器が脳へと情報を伝え、
反射的に全身の筋肉の過緊張をも同時に引き起こすことになります。
これは一連の生体の反射の過程なので、緊張に気付いた時には既に反射の過程が完成されてしまっているので、意識で「リラックスしよう!」と思っても、なかなか難しい状態になっています。
人前で文字を書こうとすると、緊張と同時に書痙の症状がでるのは、これまで蓄積された反射の結果なのです。
このことより心理的緊張から来る書痙などはどちらかというと、身体的なメカニズムの要因の方が強い様に思います。

当院で提供しているセッションでは、緊張による誘発される書痙に対しては、一連の生体の反射の過程だと捉え、
①筋膜・関節の動きの制限を取り、
②緊張下での動き・体の使い方の再学習を行っていきます。

①を寝転んだ状態で行っていきます。
人間が動く時には、必ず重力が関わってきます。動きとはこれまでの筋活動のパターンが蓄積されています。
動きとは、重力下での筋活動のパターンであると考えます。
極力、重力の影響を軽減させた状態で施術を行うことにより、効率良く筋膜・関節の癒着を取り除いていけます。

②は主に座った状態や立った状態で動きのワークを行っていきます。
重力下そして緊張する場面で、緩んでいられるようにしていくために、重力下での筋活動のパワーンに対してワークを行っていきます。

このワークでは、症状に関係した頚・顎・舌などのあたま周辺の部位の使い方を工夫することで、過度に症状を意識することなく緊張状態を改善させていくことを目的としています。


心理的に試合で緊張する、人前で振るえてしまって字が書けなくなってしまうといった状態をメンタルの問題と考えて、メンタル面だけで対処していくばかりでなく、
緊張は体から解いていく。体がもっている反射の機能を有効活用していく。といった体からの働きかけから対処していくこともできるのが、ロルフィングの強味でもあります。

※但し、どのような書痙に大しても有効な訳ではありません。
現在は、いわゆる心理的緊張に由来する症状に対して、改善させていけると考えております。
本態性振戦、甲状腺機能亢進症、アルコールの離脱症状(禁断症状)やカフェイン摂取などなど、字を書く以外の動作でも震えるような症状に関しては、原因の疾患を治療するべきだと考えます。

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