男性の更年期障害

今日は定期的に通院されている50代後半の男性のお話です。
いくつものポストを兼任したり、以前よりも社会的責任ある仕事を担うようになると、仕事量や会合の回数も増してくることがあります。
しかし、仕事量に反比例して年齢的な兼ね合いもあり、若い頃のように体の無理がきかなくなってくるようになります。
この方は頭頚部のひどい凝り感や睡眠障害を自覚されておりました。

初診では、凝り感に加えて、上記の様な加齢による心身の変化を併せて訴えられておりました。
5年くらい前であれば、夜遅くまで精力的に働けていたそうですが、ここ最近はどうも以前の様にはいかなくなり、時おりひどい疲労感を感じることもあるようでした。

ここで男性の更年期障害について簡単に説明しておきます。
以前は、男性には関係ないものと思われてきた更年期ですが、最近では、男性にも更年期があると提唱されてきています。
女性の場合、更年期は閉経を前に比較的わかりやすいのですが、男性の場合は閉経のような目に見える出来事がありません。
女性ほど急激かつ完全な女性ホルモン欠乏ではないことや年齢における個人差もあることから、男性の更年期障害はその存在さえも認知おりませんでした。

男性の更年期障害は加齢による男性ホルモンの低下が発症に大きく関わっていることがわかってきました。それに加えて仕事上のストレス、肥満、運動不足なども間接的要因として挙げられます。
男性ホルモンの分泌量が減少してくると集中力や意欲が低下し、筋肉も弱くなります。さらに排尿機能や男性機能も衰えてきます。
男性更年期障害には男性ホルモンの減少による生理的な変調のほかに、心身症的反応による不定愁訴もあります。生理的変調による症状は主に「精力の減退」が、不定愁訴としては「不安、不眠、あせりなどの精神症状」、「気力の低下」、「全身倦怠感」などがあります。

2回目の診察時には、頭頚部の凝りがまず改善されました。
御自身では加齢による変化を認めたくなかったようでしたが、説明させて頂いた内容が思い当たることばかりのようで、男性ホルモンの減少による男性更年期障害の状態だということを理解して頂きました。

以降定期的に受診して下さっておりまして、 睡眠も再びよく取れるようになり、疲労感もかなり軽減してきています。
体の調子が良くなると、すぐに無理をして働いてしまう方ですので、御自分の現在の状況にあった仕事のペース作りとライフスタイルの改善をお願いしております。

男性更年期障害の発症する時期は、自覚していない疲労の蓄積や生活習慣、また社会的な責任や子供の進学、両親の介護の問題などなど、が複雑に絡み合ってくるタイミングでもあります。
どう年を重ねていくのか、加齢と共に少しづつ変わっていく体と向き合い、折り合いを付けていくことが必要になってきます。

肉体的な凝りを取り、自律神経のバランスを整えていくことは、よりよく年を重ねることに繋がっていきます。
お気軽に御来院下さい。

広済鍼灸院