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zoom RSS つわりに対する鍼灸治療

<<   作成日時 : 2015/10/27 14:31   >>

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当院で不妊治療を受けられて無事に妊娠された方が、
妊娠初期の強いつわり症状で来院されました。

吐きづわり、食べづわりなど、人によってつわりの症状は様々です。
赤ちゃんが元気な証拠と頭では理解していても、
早く終わってほしいという想いは誰しもが持つ自然な心持ちではないでしょうか。

妊娠8週目からつわりがかなり強くなってきました。
10週目位には一日に何回も吐くようになり、体重も3kg程落ちてしまっていました。

2回目の妊娠であり前回もひどいつわりに悩まされ23週目位にやっと落ち着いてきた、という経緯があるので、
今回は少しでも早く安定した状態に持っていければ、という要望の元、12週目位から施術を行っていきました。

施術のペースは週に一度で行いました。
14週目までは治療後は楽になるのですが、3日位経過するとまたぶり返してしまうという経過でした。
15週目位からは1週間症状が軽減した状態が続き、19週目位にはほぼつわり症状は治まっていきました。

鍼灸治療を受けると明らかに症状は軽減され、前回と比較するとつわり期でも赤ちゃんの成長を楽しみながら、
日常生活を楽に快適に過ごせるようになった、ということでした。

では、ここで少し、なぜ鍼灸治療が効果があったのか、現代科学の観点からメカニズムを見ていきましょう。
まずはつわりに関してのメカニズムからです。

ホルモンバランスの観点から、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の高まる時期が、
つわりの発症時期と一致することが言われてきました。hCG の血中濃度が高い妊婦さんの方がつわりの症状が強くなるといったことから,hCG の関与が大きいとされてきました。

さらに、hCGの過剰分泌により、甲状腺ホルモンやエストロゲンの分泌が亢進している妊婦さんの方がつわり症状が重いことがわかって来ています。
ただ、このようなホルモンがどういう形で嘔吐中枢に働いているかは、現時点ではわかっておりません。1)

ここで、耳鍼の基礎研究で分かってきたメカ二ズムをみていきます。

耳鍼→ABVN(迷走神経耳介枝)→延髄(NTS:弧束核)→視床下部や扁桃体 2)

適切な鍼灸刺激を行うことによって、上記の様なメカニズムが生体に働きます。

NTS(延髄:弧束核)は迷走神経を介した嘔吐中枢への中継点でもあり、味覚の中継核でもあります。
ここに刺激が届くというのは、つわり時に刺激されているであろう嘔吐中枢の過敏性を抑制することができる可能性があるということと、つわり時における味覚の変化を中和できる可能性があるということです。

以上をまとめますと、

hCG・甲状腺ホルモン・エストロゲン→???→嘔吐中枢→つわり のメカ二ズムが生じており、

耳鍼は迷走神経を介したNTS(延髄:弧束核)への刺激によって、???の部分の過剰な反応を抑制しているであろうということが考えられます。

当院では東洋医学が持つ長い歴史の中で蓄積された経験方を元に、患者さんにあった最適なツボを選びながら施術しております。妊婦の方には耳にも鍼を行いますが、主に手足や体のツボを中心に、浅く優しいの刺激を中心に施術を行っております。

つわりは胎盤という命を育むものが完成されるまでの苦しみの一つなのかもしれません。
縁合って結ばれた、母子の縁を大切に、妊娠〜出産まで充実し安定した期間を過ごせるように関わらせて頂いております。

(広済鍼灸院 スタッフより)


1): 産科合併症とその対策、妊娠悪阻にまつわる諸問題 丸尾隆 日本産科婦人科学会 1998, N-143
2) Auricular Acupuncture and Vagal Regulation, Wei He, Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine,Volume 2012

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