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zoom RSS 生理周期とジストニア

<<   作成日時 : 2015/03/11 12:07   >>

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特に女性のフォーカル・ジストニア患者さんに散見される現象なのですが、生理前や梅雨の時期、また雨が降る前になるとジストニア症状が増悪するケースがあります。

一見関係なさそうなことと思っていましたが、女性ホルモンが音楽家のジストニアに与える影響について研究を行った興味深い論文があったのでご紹介したいと思います。

論文は音楽家や舞台芸術に関係する医学的問題を扱っているMedical problems of performing artists(パフォーミングアーツの医学的問題)というジャーナルに掲載された「音楽家における生殖ホルモンの役割」という記事の内容をまとめてみました。

タイトルは下記の内容となっております。
”Role of female reproductive hormones in musicians' dystonia. Rosset-Llobet J1, Pascual-Leone A, Fàbregas-Molas S. Med Probl Perform Art. 2012 Sep;27(3):156-8.

この論文では、エストロゲンやプロゲステロンが不随意運動を伴うような巧緻障害への関連性が明らかにされ始めてており、ジストニアを患っているグループと患っていないグループを比較した所、稀発月経や機能性子宮出血の頻度に有意差があることが明らかになったことが記載されております。

女性ホルモンがどのような機序でジストニア症状に影響するかについては、まだ明らかにはなっておりませんが、ホルモンレベルとジストニアの神経生理学的な繋がりの可能性が考えられるということでした。

いくつかのリサーチによると、脳の活動性と可塑性が女性ホルモンの増減によって影響を受けることが報告されています。また、エストロゲンがドーパミン作動系に強い影響を与えること、プロゲステロンとテストステロンレベルが運動の巧緻障害へと影響を与える可能性についても報告されています。
しかし、稀発月経や機能性子宮出血の因果関係は明確になってはおらず、神経生理学的な相互作用の影響が考えられますが、今回のジストニアとの関わりについての妥当な見解はホルモンの影響が関与していると考察では述べられています。

しかし、この生理周期の影響が女性の演奏家にジストニア症状の促進因子として考えられる可能性については、相関関係を説明するにはまだ不十分であり、将来の更なるリサーチに期待すると結論付けています。

当院でも治療の経過を見ていくと、未だ明確なホルモンレベルとジストニア症状の機序は解明されていませんが、生理周期に併せてジストニア症状の増悪がみられる方がおられます。

腱鞘炎などは妊娠中や産後に発症するケースが多いことは知られており、これは女性ホルモンの変動で起こることが明らかにされています。

鍼灸治療は女性ホルモンのバランスを保っていく事も、強味として持っているので、ジストニアに対する脳の可塑性を考慮した治療と、伝統的な女性疾患の治療の併用が更なる、症状改善の後押しとなることを再確認いたしました。

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