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zoom RSS フォーカルジストニア発生のプロセス

<<   作成日時 : 2014/10/31 12:23   >>

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発表会や講演、テストなどのために、執拗な反復練習を行った結果、指の違和感を感じ始めた。
その違和感を改善させようと色々と試行錯誤をして、本来の動きを取り戻していこうと頑張る。
同時にこれは練習不足ではないか、と更なる反復練習に励む。。。

そして、ジストニア様の症状が発生してしまう。

これは典型的なフォーカルジストニア発生のプロセスの一つだと思います。
今回はこのプロセスを元に、主な要点をまとめていきたいと思います。

実際に、フォーカルジストニアの患者さんを診ておりますと、以下3点が主な要因であると現在考えております。

@過剰な筋緊張
A頚部の不適切なポジショニング
B感覚入力の固定化

@過剰な筋緊張
 単純な反復練習も当然筋を疲労させますが、指の違和感を感じ始めた時に、違和感を改善しようと試行錯誤していく段階で更なる悪影響が生じることがあります。不具合を代償しようとして、これまでの調和の取れたリズムから逸脱して調整しようとした結果、過剰な筋収縮が慢性化してしまう恐れがあります。

何らかの原因で指の巻き込みが起こってくる。
その巻き込みを抑制しようとする代償作用として、他の指が跳ね上がってしまう。
人間の動きは不随意な動きが生じると、それをかばうような動きが必ずみられます。
それをかばうような動き(代償動作)の積み重ねが二次的・三次的に過剰な筋収縮を発生させることになります。

A頚の不適切なポジショニング
 普段の練習とは異なり、発表会や講演・テストなど第三者に対しての演奏には、やはり心理的緊張が関わってきます。「上手く弾きたい」、「成功させたい」と誰しもが思い練習に励みますが、その意気込みが過度のものになれば気負いとなり、どうしても自信がない状態が続けば焦りとなって、心身にとっては過度な緊張状態に陥ってしまいます。
 前回の記事でも紹介しましたが、人間が過度な緊張状態になると、頚部にある後頭下筋群が主に収縮してしまい、数多くある受容器が脳へと情報を伝え、反射的に全身の筋肉の過緊張をも同時に引き起こすことになります。
 これは頚のナチュラルポジションを見つけていくことで、不自然な緊張を緩和させていくことができる重要なポイントです。

B感覚入力の固定化
 ジストニア患者さんを診ていると、様々なパターンがあるように思います。

 a. 何もしていなくても振るえが出るといった、ほぼ常に何かのジストニア症状がある方。
 b. 何かの拍子(タイピング時など)に指の巻き込みなどの症状が出る+演奏活動にも症状が出る
 c. 演奏活動のみ症状が出る
  
 b. や c. の方を診ていて感じることは、指先への決まった感覚入力がジストニアの症状の発現に関与しているということです。

 指への決まった感覚入力とは?
 特定の指で、特定の弦をおさえようとする動きで、指の巻き込みなどのジストニア症状を起こしてしまうのを診ていると、指で弦を押さえるという角度や強さなどの因子が指−脳に固定化されてしまっている様に感じられます。
 ジストニア症状に付随した、弦をおさえるという指への感覚入力の強化→定着→固定化が、ジストニアの症状と深く結びついているような気がしています。

 →MIS-use が積み重なり、
 →小脳核や前庭核へのシナプス間でMIS-connection が生じ、
 →刺激の強化−定着−固定化が起こる。
 →指への感覚入力という固定化された刺激が入ると、
 →ジストニア症状の筋収縮のスイッチが発火する

運動学習のプロセスの中でのジストニアの発症は、反復練習によるOVER-use というより、MIS-use という反復練習の積み重ねだと思います。

固定化された感覚入力は、症状も固定化してしまう可能性が考えられます。
固定化された感覚入力が、小脳などの一連の運動学習のフローを固定化させてしまうからの様な気がしています。


今回は実際に患者さんを診ている臨床の中の、現段階でのフォーカルジストニアの要点をまとめてみました。
B感覚入力の固定化に関して、興味深い論文があったので、次回紹介していきます。

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